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5月28日(日)



第2回 赤祖父山と医王山麓の自然観察
    不思議な『木の葉石』とホクリクサンショウウオ


今回のわんぱく自然教室は、井口地区の赤祖父川、福光地区の医王山麓の2ヶ所で『木の葉石』とホクリクサンショウウオの観察を行いました。
新しい参加者もたくさん。
金城寺の本堂内もいっぱいです。

まずは活動内容・日程説明を聞きました。
出発前には活動の安全と充実を祈りました。
本日の講師、中薮 俊二先生(高岡龍谷高校教諭・理科部顧問)。


その後マイクロバスで井口地区の赤祖父山へ向いました。

『木の葉石』とは富山県指定の天然記念物「赤祖父石灰華生成地(あかそふせっかいかせいせいち)」でみられる、広葉樹の葉やコケなどに炭酸石灰(たんさんせっかい)が沈殿して固まった(石灰華)後、葉などは腐食して形が残った物を言います。
赤祖父川の上流には炭酸泉が湧いているそうです。

山道には、植物・昆虫がたくさん。
赤祖父石灰華生成地まで植物を観察しながら歩きました。




道標として山道におかれた大きな木の葉石。

表面には、葉や茎、根の跡がはっきりと見られます。


炭酸水が地中から浸み出て、今も石灰華している場所。
炭酸石灰が付いている杉の葉や落ち葉がたくさん。

さわると炭酸石灰で固められた部分とまだ柔らかい部分が分かる。
その下は固められ石灰華し、大きな岩になっている。

赤祖父川の川沿いの赤祖父石灰華生成地。



上部(苔の生えている辺り)から炭酸水が湧きでている。
表面が波打っているのは、上の方からゆっくりと均一に絶え間なく炭酸水が出て、乾いて固まるからだそうです。


赤色い石灰華生成地。赤いのは、鉄分(酸化鉄)が混じっているから。




これは、石灰華の地層。
大人の背丈よりも高くなっています。
一番下の方は何億年前にできた物でしょうか?



透明な炭酸水から出た二酸化炭素を、石灰水に混ぜると白い物質ができる実験。

炭酸水も二酸化炭素も石灰石も透明な物質なのに、白く濁る物質ができるのは不思議ですね。
この実験の原理が、石灰華の原理と同じなんだそうです。

その後、始祖鳥のレプリカと本物のアンモナイトと三葉虫の化石を見せていただきました。


昼食後は、福光地区医王山麓に場所を移動し、山道の脇にある池で水生生物の採集と観察を行いました。

最初の池では、ヌマエビやヤゴ等が観察できました。

次の池は、ゆうれい池と呼ばれていて、クロサンショウウオやモリアオガエルの生息地だそうです。
池のまわりの木には、モリアオガエルの卵塊がたくさん付いていました。
途中の小川にいた、ウシガエルのオタマジャクシ。大人の手のひらに乗せて、この大きさ!!



みんなでクロサンショウウオの幼生を観察しました。

エラのあたりから背ビレが始まっています。


最後にホクリクサンショウウオの幼生を観察しました。
この場所は、ホクリクサンショウウオの最南限の生息地で富山県では最大の自然産卵地だそうです。
背びれは後ろ足のあたりから始まっています。


今回観察した水生生物、植物等

クロサンショウウオ
ホクリクサンショウウオ
イトトンボ

ギンヤンマ(ヤゴ)
ウシガエル(右:おたまじゃくし)

ジャンボタニシ
ガガンボ
モリアオガエル(卵塊)

アワフキムシ(左:幼生の巣 右:中の幼生)
ウワバミソウ(ヨシナ)

ウド
ヨモギ

カタバミ
ミヤマイラクサ(茎にトゲがある)

クロモジ
ホオバ
オオバカメノキ

シャガ
ナルコユリ
ヤマガンピョウ

タニウツギ
ショウジョウバカマ
ミョウガ

ダイモンジソウ
シダ (葉が特徴的な珍しいシダだそうです)

ヒトリシズカ
シライトソウ
トリアシショウマ

エンレイソウ
ミツバ

ニホントカゲ
カナヘビ
ニホンカモシカのフン

      ハナイカダ(葉の上に花が咲く、丸いものは実)





朝方冷え込んでいたのがウソのように暖かく、晴天に恵まれ楽しい活動を行うことができました。
新年度になり、新しい参加者が増え、初めての体験をした方も多かったのではないでしょうか。

今回は、富山県指定の天然記念物を観察しました。南砺市に住んでいますが、木の葉石を見たのは初めてでした。

また貴重なホクリクサンショウウオの生息地でホクリクサンショウウオの幼生を観察することができました。
ホクリクサンショウウオが生息・産卵しやすい山林の環境を守って、個体数が減らないよう・増えていくように自然環境を守っていきたいですね。

今回も充実した1日をありがとうございました。

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